看護師が失業保険(雇用保険の基本手当)を受けると年金は減るのか、という疑問を持つ場面では、最初に切り分けたいことが1つあります。日本年金機構のページによると、雇用保険の失業給付との調整の対象は65歳になるまでの老齢年金で、特別支給の老齢厚生年金などがそれにあたります。つまり、年金額が少しずつ減るという話ではなく、対象になる年金は、求職の申込みをした月の翌月から一定の期間、全額が支給停止されるという仕組みです(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)。
一方で、65歳になるまでの老齢年金をまだ受け取る立場にない人は、調整の対象になる年金がありません。この記事は、基本手当と年金の調整に絞って、対象になる人とならない人の見分け方、年金が止まる時期、ハローワークと年金事務所での手続きの順番、受給中に在宅ワークを始めるときの申告までを、公式ページの文言の範囲で整理します。国民年金や健康保険の切り替えそのものは、別の記事で詳しく扱っているので、この記事では確認先だけを示します。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
先に、離職の手続きの全体像を押さえておくと読みやすくなります。看護師の退職届の書き方と出し方|円満退職で退職の伝え方を確認し、離職票を受け取れる状態にしてから、この記事の手続きの順番に進んでください。離職票を使う求職の申込みの流れは、ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」に載っています。
先に結論|基本手当を受けると年金が「減る」のではなく、対象の人は「止まる」
年金と雇用保険の調整とは、65歳になるまでの老齢年金を受け取る人が雇用保険の失業給付を受ける場合に、年金の支給を停止して、同じ時期に両方を受け取らないようにする仕組みをいいます。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
日本年金機構の説明では、65歳までの年金受給者が雇用保険の給付を受ける場合、年金の全部または一部が支給停止されます。失業給付(基本手当)との調整では、実際に失業給付を受けたかどうかに関係なく、求職の申込みをした月の翌月から受給が終了するまでの間、加給年金額も含めて年金が全額支給停止されると書かれています(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)。
ここで押さえたいのは、「減る」ではなく「止まる」という言葉の違いです。年金額が一定の割合で下がるのではなく、対象になる月は支給そのものが停止されます。また、止まった分を後から基本手当が埋めるのではなく、同じ時期には年金と基本手当のどちらか一方を受け取る形になります。どちらが自分にとって有利かを数字で比べる記事ではなく、仕組みと手続きの順番を確認する記事として読み進めてください。個別の受給額の試算は、年金事務所やハローワークの窓口で、自分の記録に基づいて確認してください。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
もう1つ、年金が止まる対象は老齢年金の調整に限られます。この記事で扱うのは、失業給付である基本手当と、65歳になるまでの老齢年金の関係だけです。そのほかの種類の年金を受け取っている場合や、高年齢雇用継続給付を受ける場合の扱いは別の説明になるため、該当する人は年金事務所で確認してください。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
基本手当(失業保険)とは何か|受け取れる人と受給できる期間
基本手当とは、雇用保険の被保険者だった人が離職して失業の状態にあるときに、ハローワークの認定を受けて受け取る給付で、一般に「失業保険」「失業手当」と呼ばれるものです。(ハローワーク「基本手当について」)
ハローワークインターネットサービスの説明によると、基本手当を受けるには、ハローワークに来所して求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就けない状態であることが必要です。被保険者期間の要件は、一般の離職者では、離職の日以前2年間に通算して12か月以上あることです。特定受給資格者と特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算して6か月以上ある場合でも対象になります(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)。
受給できる期間(受給期間)は、原則として離職した日の翌日から1年間です。所定給付日数は90日から360日の間でそれぞれ決められます。病気やけがなどで引き続き30日以上働けない場合に、受給期間を延長できる制度もあります(同ページ)。看護師は、体調を崩して退職する場合も少なくありません。その場合は、働けない期間があっても受給期間の延長という選択肢があるかどうかを、退職前後にハローワークで尋ねておくと安心です。(ハローワーク「基本手当について」)
基本手当の対象かどうかは、退職理由や被保険者期間によって変わります。自分が特定受給資格者や特定理由離職者にあたるかどうかは、離職票に書かれた離職理由をもとにハローワークが判断します。自己判断で「自分は対象外だろう」と手続きを見送らず、離職票が届いたら、まず管轄のハローワークで窓口に相談することが出発点です。この「求職の申込み」の時点が、のちに述べるとおり、年金の調整が始まる月を決める基準にもなります。(ハローワーク「基本手当について」)
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年金との調整の対象になる人・ならない人
調整の対象になる人とは、基本手当を受ける立場にあり、かつ65歳になるまでの老齢年金(特別支給の老齢厚生年金など)を受け取る権利がある人をいいます。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
日本年金機構の調整のページは、対象を「65歳未満の老齢年金」と説明しており、具体例として特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金を挙げています(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)。つまり、基本手当を受けること自体が年金の停止の理由になるのではなく、基本手当を受ける人が65歳になるまでの老齢年金も受け取れる立場にある場合に、両者の調整が起きます。
では、特別支給の老齢厚生年金は誰が受け取れるのでしょうか。日本年金機構のページによると、女性の場合は昭和41年4月1日以前に生まれたこと、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること、厚生年金保険等に1年以上加入していたこと、そして生年月日に応じた受給開始年齢に達していることが要件です。受給開始年齢は生年月日と性別に応じて異なります(日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」)。この要件に当てはまらない生年月日の人は、特別支給の老齢厚生年金を受け取る立場になく、その年金については調整の対象にもなりません。
| 確認する点 | 調整の対象になる場合 | 調整の対象にならない場合 | 公式の根拠 |
|---|---|---|---|
| 基本手当を受けるか | ハローワークで求職の申込みをして、基本手当の手続きに進む | 基本手当の手続きをしない(その場合は、この調整は出てきません) | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 65歳になるまでの老齢年金を受け取る立場か | 特別支給の老齢厚生年金などを受け取る権利がある | その年金の受給要件に当てはまらず、受け取る立場にない | 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」 |
| 年齢 | 65歳になるまでの間 | この記事の説明とは別の確認が必要(ハローワークと年金事務所で確認) | 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」 |
| 確認先 | 年金事務所または街角の年金相談センター | 念のため同じ窓口で、自分が対象外であることを確認すると安心 | 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」 |
この表は、日本年金機構の2つのページ(調整のページと特別支給の老齢厚生年金のページ)に書かれた範囲を、確認の順番に並べ替えたものです。表の「対象にならない場合」の行は、各ページの対象範囲から読み取れる整理であり、個別のケースの最終判断は窓口で行われます。特に、生年月日がちょうど境目にあたる人や、複数の年金に加入していた期間がある人は、自己判断を避けて窓口で自分の年金記録に基づいた説明を受けてください。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
年金が止まる時期|求職の申込みをした月の翌月から
支給停止の始まりとは、ハローワークで求職の申込みをした月の翌月からで、年金が停止されるのはそこから基本手当の受給期間が経過する月、または所定給付日数の支給が終わる月までです。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
日本年金機構のページには、求職の申込みをした月の翌月から、失業給付の受給期間が経過した月(または所定給付日数を受け終わった月)まで、年金が全額支給停止されると書かれています(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)。月の途中で申し込んでも、停止が始まるのは翌月からという点が、日付の数え方としては重要です。
仮の例を挙げます。数字は説明のための架空の設定で、公式の数字ではありません。ハローワークで求職の申込みをした月を「4月」とすると、年金の支給停止が始まるのは「5月」からです。その後、基本手当の所定給付日数を受け終えた月、または受給期間が経過した月まで、年金は支給停止の状態が続きます。実際の月は、離職日、離職票の到着、求職の申込みをした日、基本手当の受給状況で変わるので、自分の日付で確認が必要です。(ハローワーク「基本手当について」)
| 時点(仮の例) | 起きること | 確認する場所 | 公式の根拠 |
|---|---|---|---|
| 4月に求職の申込み | ハローワークで求職の申込みをして基本手当の手続きに入る | 管轄のハローワーク | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 5月 | 求職の申込みをした月の翌月。対象になる老齢年金は全額支給停止が始まる | 年金事務所または街角の年金相談センター | 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」 |
| 受給期間の経過、または所定給付日数の終了 | 基本手当を受け終えた月、または受給期間が経過した月まで停止が続く | 受給資格者証の記載をハローワークで確認 | ハローワーク「基本手当について」 |
この表の月は、仕組みの順番を示すための仮の例です。年金が実際に止まる月や、再開する月は、離職日や求職の申込みの時期で変わります。自分の日付を当てはめて見通しを立てたい場合は、受給資格者証の記載をもとに、ハローワークと年金事務所の両方で確認してください。(ハローワーク「基本手当について」)
基本手当を受けなかった月も年金は止まる|支払いが遅れる点にも注意
基本手当を受けなかった月の停止とは、求職の申込みをしたあと、実際には基本手当を受け取っていない月であっても、調整の対象期間であれば年金が支給停止になる扱いをいいます。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
日本年金機構のページには、求職の申込みをしたあと、実際に失業給付を受けたかどうかには関係なく、求職の申込みをした月の翌月から受給が終了するまでの間、年金が全額支給停止されると書かれています(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)。たとえば、認定の対象にならなかった期間や、給付が支払われない期間があっても、年金のほうは止まったままになる場合があるということです。「基本手当をもらっていない月は年金が出る」と思い込まないようにしてください。
もう1つの注意点は、支払いの再開のタイミングです。調整のページには、求職の申込み後に基本手当を受けていない月の分の年金は、すぐには支払われず、3か月程度後の支給になるという趣旨の説明があります。また、受給期間が経過したあとの年金の支払いの再開も、3か月程度後になると書かれています(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)。年金が一時的に入ってこない月が生じるので、生活費の見通しは、基本手当の振込と年金の再開時期の両方を並べて立てるのが現実的です。
基本手当の側では、認定を受けたあとの振込は通常5営業日で指定口座に入ると説明されています(ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」)。給付を受ける月と、年金が止まる月と、年金が再開される月の3つが、同じカレンダーの上でずれることを意識して、家計の見通しを組んでください。
手続きの順番|ハローワークと年金事務所でやること
手続きの順番とは、離職票の受け取りから、ハローワークでの求職の申込み、受給資格の決定、年金事務所での届出の要否の確認までの流れをいいます。(ハローワーク「基本手当について」)
ハローワークインターネットサービスの手続きの案内によると、離職前に雇用保険被保険者証を確認し、離職理由などが書かれた離職証明書の記載内容をチェックします。離職後に離職票(-1、-2)が届いたら、住居地を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、離職票を提出します。指定された日に初回の説明会に参加し、そこで雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が渡され、初回認定日が通知されます。その後は原則4週間ごとの認定日に来所して、失業認定申告書に求職活動の状況を書いて提出します(ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」)。
| 順番 | やること | 窓口 | 公式の根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 離職前に雇用保険被保険者証と離職証明書の内容を確認する | 勤務先 | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 2 | 離職票(-1、-2)を受け取り、求職の申込みと離職票の提出をする | 住居地を管轄するハローワーク | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 3 | 初回の説明会に参加し、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取る | ハローワーク | ハローワーク「基本手当について」 |
| 4 | 年金を受け取る立場なら、年金事務所への届出が必要かを確認し、必要なら雇用保険受給資格者証などを添えて提出する | 年金事務所または街角の年金相談センター | 日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」 |
| 5 | 原則4週間ごとの認定日に来所し、失業認定申告書を提出する | ハローワーク | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
表の4番目が、年金との調整にかかわる手続きです。ハローワークの手続きだけで、年金側の手続きまで自動的に終わると決めつけないことが重要です。次の章で、年金事務所への届出が必要になる場合を整理します。必要な持ち物(離職票、個人番号確認書類、身元確認書類、写真、預金通帳またはキャッシュカード)は、手続きのご案内の同じページに一覧があるので、窓口へ行く前に確認してください。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
年金事務所への届出が必要になる場合と、届出がないときに起きること
年金事務所への届出とは、雇用保険の給付と年金の調整のために、雇用保険受給資格者証などを添えて提出する手続きで、原則は不要とされていますが、不要にならない場合があります。(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)
日本年金機構のページによると、雇用保険等の給付と年金との調整のための届出は、原則として不要です。ただし、年金を請求したときに雇用保険被保険者番号が登録されていない場合や、年金を受け取る権利が発生した日と求職の申込みをした日がどちらも平成25年10月1日より前の場合は、届出が必要です。届出をする場合は、失業給付なら雇用保険受給資格者証などを添えて、求職の申込みをしたときに提出します(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)。
同じページには、届出が必要なのに届出がない場合、年金の支払いが一時的に保留されると書かれています。届出の提出先は、年金事務所または街角の年金相談センターです。「原則として不要」という言葉だけを覚えて動かないのではなく、自分が例外にあたるかどうかを、求職の申込みの前後に年金事務所へ電話などで確認するのが、支払いの保留を避ける近道です。調整のページにも、年金受給者がハローワークで求職の申込みをするときに、年金事務所への届出が必要となる場合があると書かれています(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)。
問い合わせるときは、年金の基礎年金番号がわかる書類と、離職票、基本手当の手続きの日付をメモにまとめて手元に置くと話が早く進みます。年金事務所に聞くのは、「自分は調整の対象か」「届出は必要か」「支給停止が始まる月はいつか」の3点に絞ると、窓口でのやり取りが短くなります。(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)
国民年金・健康保険の切り替えはどこで確認するか
国民年金・健康保険の切り替えとは、会社を辞めて厚生年金と会社の健康保険の資格がなくなったあとに、国民年金や国民健康保険などへ加入し直す手続きをいい、基本手当や年金の停止とは別の手続きです。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
基本手当を受け取る期間も、年金や健康保険の加入の手続きは別に進める必要があります。ハローワークで基本手当の手続きをしても、国民年金や健康保険の切り替えが自動的に済むわけではありません。ここでは、手続きの詳しい手順は扱わず、確認先の目安だけを整理します。国民年金の加入は、日本年金機構が案内している窓口で、健康保険の選択肢(任意継続、国民健康保険、家族の扶養)は、それぞれの窓口で確認します。詳しい手順と選び方は、在宅ワークの社会保険・年金切り替えガイド|退職後の手続きと備え方にまとめています。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
| 確認したいこと | 主な確認先 | この記事との関係 | 公式の根拠 |
|---|---|---|---|
| 基本手当の受給資格・認定日 | 管轄のハローワーク | この記事で扱う | ハローワーク「基本手当について」 |
| 老齢年金の調整・届出の要否 | 年金事務所または街角の年金相談センター | この記事で扱う | 日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」 |
| 国民年金への加入・保険料 | 年金事務所、お住まいの市区町村の窓口 | 既存記事で手順を確認 | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 健康保険の選択(任意継続・国保・扶養) | 加入していた健康保険、市区町村の窓口 | 既存記事で手順を確認 | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
日本年金機構の同じ調整のページにある「年金が止まる」という説明は、今の年金を受け取る側の話です。国民年金の保険料の納付や免除の判断とは、別の窓口の別の論点として分けて考えてください。調整の対象になるかどうかが気になって手続き全体が止まってしまう場合は、まず年金事務所に「自分が調整の対象か」を尋ね、そのうえで切り替えの手続きに進むと順番が整います。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
基本手当を受けている間に在宅ワークを始めるときの申告
基本手当と在宅ワークの申告とは、基本手当を受けている期間に就職や就労、内職や手伝いをしたときに、その事実や収入を失業認定申告書へ正直に書いて報告することをいいます。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
ハローワークインターネットサービスの手続きのご案内には、失業認定申告書で報告する事項として、求職活動の実績、就職や就労(パート、アルバイト、試用期間を含む)、内職や手伝いの事実と収入が挙げられています。基本手当を受けるには、認定対象期間中に、原則として2回以上の求職活動の実績が必要です。申告に虚偽があると不正受給となり、支給停止などの厳しい処分があると書かれています(ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」)。
在宅ワークは、クラウドソーシングで受けた単発の仕事や、SNSの運用のお手伝いなど、始めるきっかけが身近で、「少しだけだから」と申告を後回しにしてしまいがちです。ただ、案内に書かれている「内職や手伝い」は、まさに在宅で行う仕事を含む場合があります。収入の多い少ないではなく、事実として行ったことを書いて報告し、扱いがわからないときは認定日より前にハローワークの窓口で質問するのが安全です。報酬の受け取りが発生する前の、「受けるかどうかを検討している段階」でも、相談はできます。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
| 状況(仮の例) | 申告で確認すること | 公式の根拠 |
|---|---|---|
| クラウドソーシングで単発の記事作成を受けた | 就労・内職・手伝いのどれにあたるか、収入が発生したか、ハローワークの窓口で扱いを確認する | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 知人の仕事を無償で手伝った | 手伝いの事実として申告が必要か、窓口で確認する | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
| 在宅ワークの準備として勉強している | 就労にあたるかどうかを、認定日の前に確認する | ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」 |
この表は、扱いを決めつけるものではなく、窓口で何を質問すればよいかを整理した仮の例です。業務委託として在宅ワークを受ける場合の契約の見方は、在宅ワークの業務委託契約で確認する項目|報酬・納期・秘密保持の見方で扱っています。収入が増えたあとの税や保険の考え方は、在宅ワークの年収の壁2026年最新|103万106万130万はどう変わったも参考になります。
退職を決める前に確認しておきたい順番|離職票・離職理由・相談先
退職前の確認とは、離職票に書かれる離職理由や、雇用保険の被保険者期間、年金の受給の立場を、退職日を決める前に整理しておくことをいいます。(ハローワーク「基本手当について」)
基本手当の受給の仕方と、年金との調整は、退職してから初めて調べ始めると、判断の余裕がなくなりがちです。ハローワークのページが示すとおり、被保険者期間の要件は離職の日以前の期間で数えます(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)。退職日の決め方で、被保険者期間の通算がどう変わるかも、早めに確認しておくと、手続きの選択肢が広がります。
確認したい項目を、退職前に「自分で調べられること」と「窓口に聞くこと」に分けると、頭が整理されます。自分で調べられるのは、雇用保険被保険者証の内容、年金の加入の履歴、生年月日にあたる年金の受給開始年齢です。窓口に聞くのは、離職理由の扱い、受給期間の延長の可否、年金事務所への届出の要否です。看護師が退職を考えるとき、休職や転職の選択肢と並べて比べたい人は、看護師辞めたいと思ったら読む記事|休職・転職・副業を考える手順や、看護師が休職を考える前に知っておくべき手続きとお金・復帰で、退職以外の道も含めて整理できます。(ハローワーク「基本手当について」)
転職を急ぐ場合は、看護師の転職エージェントを使わない転職方法|自力で転職を成功させるコツが参考になります。ただし、転職先が決まった時点で基本手当の扱いが変わる場合があるため、就職が決まったときは、その事実もハローワークの失業認定の場で申告する必要があります。確定申告や税の確認は、在宅ワークの確定申告のやり方|必要な条件・青色白色の違い・帳簿と経費の付け方が入口になります。(ハローワーク「雇用保険手続きのご案内」)
判断に迷ったときの相談先と、問い合わせ前のメモ
相談先の使い分けとは、基本手当についてはハローワーク、年金の調整や届出については年金事務所または街角の年金相談センターへ、質問の内容ごとに窓口を分けて問い合わせることをいいます。(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)
基本手当の受給資格、離職理由の判定、認定日、申告事項、受給期間の延長の可否は、管轄のハローワークが窓口です(ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」)。年金の停止の始まりと終わり、届出の要否、年金の支払いの再開の時期は、年金事務所または街角の年金相談センターが窓口です(日本年金機構「失業給付・高年齢雇用継続給付を受けるとき」)。同じ質問を両方に投げても、答えの内容が窓口ごとに違うことがあるので、質問ごとに窓口を決めておくと、たらい回しを避けられます。
問い合わせの前に、次の項目をメモしておくと話が早く進みます。離職した日、離職票に書かれた離職理由、雇用保険被保険者番号、生年月日、基礎年金番号、年金を受け取る立場にあるかどうか、基本手当の手続きを始めた日、求職の申込みをした日。これらの日付が揃っていると、年金が止まる月の見通しも、窓口で具体的に確認できます。なお、このメモの項目は、一般に窓口で聞かれる内容を整理したもので、公式ページが定めた必須の持ち物ではありません。実際に求められる書類は、窓口の案内に従ってください。(ハローワーク「基本手当について」)
窓口で聞いた内容は、日付と担当部署を一緒に書き残しておくと、あとで年金の支払いの時期を確認するときにも役立ちます。退職後は書類が増えるため、離職票、受給資格者証、年金の通知書を1つのファイルにまとめておくと、年金事務所へ届出をする場面でも慌てずに済みます。迷ったときは、看護師カテゴリの記事一覧から、退職や休職、お金の手続きに関する関連記事も確認できます。(ハローワーク「基本手当について」)
よくある質問(FAQ)
- Q1. 看護師が退職して失業保険をもらうと、年金は減りますか?
- 減るのではなく、65歳になるまでの老齢年金を受け取る立場にある人は、求職の申込みをした月の翌月から一定の期間、その年金が全額支給停止されます。65歳になるまでの老齢年金を受け取る立場にない人は、調整の対象になる年金がありません(日本年金機構)。
- Q2. 65歳になるまでの老齢年金をまだ受け取っていない年齢でも、調整されますか?
- 日本年金機構のページは、調整の対象を65歳未満の老齢年金としています。その年金を受け取る立場にない場合は、調整される年金がないことになります。特別支給の老齢厚生年金の受給要件は、女性なら昭和41年4月1日以前の生まれ、受給資格期間10年、厚生年金保険等への1年以上の加入などです(日本年金機構)。自分の記録は年金事務所で確認してください。
- Q3. 基本手当を受け取らなかった月は、年金は止まりませんか?
- 日本年金機構のページには、実際に失業給付を受けたかどうかに関係なく、求職の申込みをした月の翌月から受給が終了するまでの間、年金が全額支給停止されると書かれています(日本年金機構)。
- Q4. 年金事務所への届出は必要ですか?
- 原則として不要とされていますが、年金の請求時に雇用保険被保険者番号が登録されていない場合や、年金を受け取る権利が発生した日と求職の申込みをした日がどちらも平成25年10月1日より前の場合は必要です。届出がないと年金の支払いが一時的に保留されます(日本年金機構)。自分が例外にあたるかは、年金事務所で確認してください。
- Q5. 基本手当を受けている間に在宅ワークを始めたら、どうすればいいですか?
- 失業認定申告書で、就職や就労、内職や手伝いの事実と収入を報告する必要があります。虚偽の申告は不正受給になります。扱いがわからないときは、認定日の前にハローワークで質問してください(ハローワークインターネットサービス)。
- Q6. 65歳以上で退職した場合も、この記事のとおりですか?
- この記事で説明した調整は、65歳になるまでの老齢年金を対象にした日本年金機構の説明に基づいています(日本年金機構)。65歳以上の場合の給付や年金の扱いは、ハローワークと年金事務所に確認してください。
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まとめ|年金が「止まる」対象か、届出が必要かを、求職の申込み前後に確認する
看護師が退職後に基本手当を受けるときの年金の扱いは、「減る」ではなく、対象になる老齢年金が「求職の申込みをした月の翌月から、全額支給停止される」という調整です。65歳になるまでの老齢年金を受け取る立場にある人だけが対象で、その年金を受け取る立場にない人には、調整される年金がありません。(日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」)
手続きの順番は、離職票の受け取り、ハローワークでの求職の申込み、受給資格の決定、年金事務所への届出の要否の確認、そして4週間ごとの認定です。受給中に在宅ワークを始めるときは、就労、内職、手伝いの事実と収入を、失業認定申告書で報告します。年金の停止や支払いの再開の時期は、自分の日付で、年金事務所に確認してください。(ハローワーク「基本手当について」)
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