在宅ワークの住民税の申告|確定申告が不要でも手続きが要る場合と期限

在宅ワークの住民税の申告|確定申告が不要でも手続きが要る場合と期限
📅 公開日: 2026年10月26日🔄 最終更新: 2026年10月30日

在宅ワークや副業の所得が年間20万円以下で、所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。所得税の申告を省ける範囲と、住民税の申告を省ける範囲が同じではないためです(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、名古屋市 給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?)。

この記事は、2026年10月26日に開いて確認できた国税庁のタックスアンサー(No.1900・No.1906)、総務省の個人住民税のページ、東京都主税局の個人住民税のページ、横浜市・名古屋市・東京都北区・大阪府門真市の案内に書かれている範囲だけを使います。申告書の提出先や受付の方法は自治体で違うため、最終的な要否と手続きは、お住まいの区市町村の住民税の担当に確認してください。個別の税額や、あなたの場合の申告の要否はこの記事では判断しません。

確定申告そのものの手順は在宅ワークの確定申告の条件と帳簿の付け方をまとめた記事に分けています。この記事は、確定申告をするかしないかによって、住民税の手続きがどう変わるかに絞ります。

目次

結論|所得が20万円以下でも住民税の申告が要る場合がある

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住民税の申告とは? 前年1年間の所得などを、1月1日現在の住所地の区市町村へ届ける手続きです。所得税の確定申告書を税務署へ提出した人は、住民税の申告も済んだものとして扱われると、横浜市と名古屋市が案内しています。

名古屋市の案内では、給与所得者で給与以外の所得が20万円以下の場合、所得税では確定申告をしないことができる一方、市民税・県民税には所得税のような申告の省略範囲がなく、原則としてすべての所得を申告する必要があるとされています。そのうえで、所得税の確定申告をする場合は、改めて市民税・県民税の申告をする必要はないとも書かれています(名古屋市 市民税・県民税の申告に関するQ&A)。

横浜市も、1か所から給与を受けている人で、給与以外の所得の合計が20万円以下の人を、所得税の確定申告書を提出しない場合に市民税・県民税の申告が必要な人の例に挙げています(横浜市 市民税・県民税の申告について)。つまり、判断の分かれ目は「20万円以下かどうか」だけでなく、「確定申告をするかどうか」にもあります。

所得税の20万円の基準と、住民税の申告は別の仕組み

所得税の20万円の基準とは? 給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収の対象になる人が、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えるかどうかで、確定申告の要否を見る基準です(国税庁)。

国税庁のNo.1900は、この条件に当たる人のうち、確定申告をすれば税金が還付される人を除いて、確定申告が必要になると説明しています。年間の給与収入が2,000万円を超える人や、給与を2か所以上から受けている人には別の条件があります(国税庁 No.1900)。この記事の説明は、給与を1か所から受けている会社員やパートの人が、在宅ワークの収入を別に得ている場合を想定します。

両方の仕組みを並べると、次のとおりです。

見る点 所得税の確定申告 住民税の申告 確認したページ
給与以外の所得が20万円以下のとき 給与を1か所から受ける人は、確定申告をしないことができる場合がある 申告の省略範囲はなく、原則としてすべての所得を申告する 名古屋市のQ&A
手続きの届け先 税務署へ確定申告書を提出する 1月1日現在の住所地の区市町村へ申告する 横浜市の案内
確定申告をしたとき 確定申告書に副業の所得を含めて申告する 改めて住民税の申告をする必要はない 名古屋市のQ&A

判定に使う数字は収入ではなく所得です。総務省は、所得を収入から必要経費を差し引いた額と説明しています(総務省 個人住民税)。在宅ワークの報酬が20万円を超えていても、経費を引いた所得が20万円以下になる場合があります。経費の按分の考え方は在宅ワークの家賃・光熱費・通信費の按分をまとめた記事で整理しています。

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確定申告する・しない×所得20万円以下・超の判断表

住民税の手続きの判断表とは? 確定申告をするかしないかと、副業の所得が20万円以下か超かの組み合わせごとに、住民税の手続きがどうなるかを並べた表です。ここでは給与を1か所から受けている人を前提にします(名古屋市・横浜市)。

確定申告 副業などの所得(給与以外) 所得税 住民税の手続き 確認したページ
する 20万円以下 申告した内容で手続きする 確定申告書の提出で足りる。改めての申告は不要 名古屋市・横浜市
する 20万円超 確定申告が必要な人に当たる(還付される人を除く) 確定申告書の提出で足りる。改めての申告は不要 国税庁 No.1900・名古屋市
しない 20万円以下 確定申告をしないことができる場合がある 住民税の申告が必要。区市町村へ申告書を提出する 国税庁 No.1900・名古屋市
しない 20万円超 確定申告が必要な人に当たる(還付される人を除く)ため、この組み合わせに当たる場合はまず確定申告が必要かを確かめる 手続きが済んでいない場合は、税務署と区市町村の住民税の担当に相談する 国税庁 No.1900

表の「しない×20万円以下」の行が、この記事の中心です。国税庁のNo.1906は、副収入の例として、インターネットの個人取引、ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得、暗号資産の売却などを挙げ、一般的には雑所得に当たるとしています(国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合)。在宅ワークの報酬がどの所得に当たるかは仕事の内容で変わるため、迷う場合は税務署か区市町村に確認してください。

事業として続けるかどうかの判断は、在宅ワークで開業届を出すかどうかの判断軸をまとめた記事に分けています。

税の手続きの確認先は、区市町村の住民税の担当と税務署です。教材の受取案内は、税の相談窓口ではなく、次のLINEで確認できます。

仮の例で確認する|収入から所得を出して手続きを選ぶ

所得の確認手順とは? 1年分の収入の合計から必要経費の合計を引いて所得を出し、20万円と比べて、確定申告をするか住民税の申告にとどめるかを選ぶ手順です。

次の数字は、手順を確かめるための仮の例です。給与を1か所から受けている人が、在宅ワークの報酬を雑所得として計算する想定で、雑所得のうち公的年金以外は総収入金額から必要経費を引いて所得を出すと、東京都主税局が説明しています(東京都主税局 個人住民税)。

仮の例 1年分の収入 必要経費 所得(収入−経費) 20万円との比較 確定申告をしない場合の住民税
例A 18万円 5万円 13万円 以下 住民税の申告が必要(名古屋市)
例B 24万円 8万円 16万円 以下(収入は20万円超) 住民税の申告が必要(名古屋市)
例C 30万円 6万円 24万円 超 確定申告が必要な人に当たるため、確定申告で手続きする

この確認は、次の順で進めます。第一に、報酬の入金記録と請求書から1年分の収入を足します。源泉徴収された報酬がある場合の見分け方は在宅ワークの報酬の源泉徴収を整理した記事にまとめています。

第二に、仕事に使った費用を集めて必要経費を出します。第三に、収入から経費を引いて所得を出し、20万円と比べます。第四に、表の判断に従って、確定申告をするか、区市町村へ住民税の申告書を出すかを決めます。

例Bのように、収入が20万円を超えていても所得は20万円以下になることがあります。ただし、経費に入れてよい費用の範囲は個別の事情で変わります。経費の線引きに迷うときは、税務署か区市町村に聞いてから金額を確定してください。月ごとの記録の残し方は在宅ワークの月末の締め作業をまとめた記事が参考になります。

申告先と期限は自治体で違う|横浜市の例

住民税の申告先とは? 賦課期日である1月1日現在の住所地の区市町村です。申告の期限や受付の方法は自治体ごとに案内されているため、お住まいの区市町村のページで確認します。

横浜市の案内では、市民税・県民税の申告書を毎年3月15日までに、1月1日現在の住所地の区役所の税務課へ提出するとされています。3月15日が土曜日または日曜日にあたるときは、その翌開庁日が期限です。窓口のほか、郵送と、マイナンバーカードを使うeLTAXの電子申告でも提出できると案内されています(横浜市 市民税・県民税の申告について)。

名古屋市の案内では、申告書の提出先は、お住まいの区を担当する市税事務所と書かれています(名古屋市のQ&A)。このように、同じ住民税の申告でも、窓口の名前や受付の方法は自治体で変わります。この記事で確認した期限は横浜市の案内にあたる部分だけです。お住まいの区市町村の期限と提出先は、そのページで別に確かめてください。

東京都のページでは、個人住民税の所得割と均等割は、1月1日現在都内に住所がある人が課税の対象で、各区市町村が都民税と区市町村民税をあわせて徴収すると説明されています(東京都主税局 個人住民税)。引っ越しをした年は、1月1日にどこに住んでいたかで届け先が決まります。

住民税の申告を省ける人と、確認したい人

住民税の申告が不要な人とは? 横浜市の案内では、所得税の確定申告書を提出した人や提出する予定の人、勤務先から給与支払報告書が提出されている給与収入のみの人などが、申告をする必要がない人として挙げられています(横浜市)。

ただし、横浜市は、所得税の確定申告書を提出しない人が、医療費控除や源泉徴収票に記載のない社会保険料控除を受けるときは、申告が必要になるとも案内しています(横浜市の案内)。在宅ワークの所得とは別に、こうした控除を使う場合も、先に区市町村に確認すると安心です。

申告をしなかった場合の影響について、横浜市は、課税証明書や非課税証明書の発行、国民健康保険料や介護保険料、保育所、公営住宅などの算定や申込に影響が出る可能性があると案内しています。この記事では、税額や罰則を断定しません。お住まいの区市町村で、どのような手続きに影響するかを確認してください。

確定申告をするときは第二表の住民税の欄も確認する

第二表の住民税の欄とは? 確定申告書の第二表にある「住民税に関する事項」の欄で、住民税の算定に使う内容を記載します。給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法も、この欄で選びます。

東京都北区の案内では、給与以外に不動産や事業などの所得がある人が、給与からの特別徴収と個人納付の2通りに分けて納めたい場合は、第二表の「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付(普通徴収)」に丸を付けるとされています。徴収希望の記載がない場合は、給与からの特別徴収にまとめて納めることになる場合があるとも書かれています(東京都北区 徴収方法(住民税の納め方))。

大阪府門真市の案内でも、第二表の内容は市・府民税の算定に使うため、所得税額に影響がなくても該当する項目があれば記載するよう案内されています。給与に係る分は特別徴収が義務づけられているため、「自分で納付」を選んでも給与分を普通徴収にはできないとも書かれています(門真市 確定申告書作成の際の住民税に関する注意点)。

総務省によると、普通徴収は市町村が申告された所得などに基づいて税額を確定し、納税通知書で納める方法です。特別徴収は、会社などが給与から天引きして納める方法です(総務省 個人住民税)。どちらで納めるかは、区市町村の運用で扱いが変わる場合があるため、記入前に区市町村のページを見ておくとよいでしょう。

迷ったときの相談先|区市町村の住民税担当と税務署

相談先とは? 住民税の申告の要否や提出方法は、お住まいの区市町村の住民税の担当に、所得税の確定申告については税務署に、それぞれ確認します。

横浜市のページには、申告の要否をまとめたフローチャートや、申告書を送付した区役所の税務課市民税担当への問い合わせ先が案内されています。国税については、国税庁の税についての相談窓口のページから相談方法を確認できます。

電話や窓口で聞くときは、1年分の収入と経費の合計、給与の支払先の数、確定申告をするかどうかを手元にそろえると、話が早く進みます。インボイス制度など消費税の手続きは住民税とは別の仕組みで、在宅ワークのインボイス制度の登録要否を整理した記事で確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 在宅ワークの収入が20万円以下なら、住民税の申告もしなくてよいですか。
20万円の基準は所得税の確定申告に使うもので、住民税には当てはまらないと、名古屋市は案内しています。確定申告をしない場合は、住民税の申告が必要です(名古屋市のQ&A)。
Q2. 確定申告をしたら、住民税の申告も別に出しますか。
所得税の確定申告をする場合は、改めて住民税の申告をする必要はありません(横浜市の案内)。ただし、細かな扱いは区市町村で違う場合があるため、確定申告書の第二表の記載もあわせて確認してください。
Q3. 申告の期限はいつですか。
横浜市の案内では、毎年3月15日までに1月1日現在の住所地の区役所の税務課へ申告します。土曜日または日曜日にあたるときは翌開庁日です(横浜市の案内)。お住まいの区市町村の期限は、そのページで確認してください。
Q4. 収入が20万円を超えていたら、確定申告が必要ですか。
判定に使うのは収入ではなく所得です。所得は収入から必要経費を引いた額なので、先に所得を計算してから20万円と比べます(総務省 個人住民税、国税庁 No.1900)。
Q5. 給与以外の所得にかかる住民税は、自分で納められますか。
確定申告書の第二表で「自分で納付」を選ぶ案内を出している自治体があります。記載がない場合は特別徴収にまとめられる場合があります(東京都北区)。お住まいの区市町村の案内で確かめてから記入してください。

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まとめ|確定申告をするかを決めてから住民税の手続きを選ぶ

給与を1か所から受けている人は、在宅ワークや副業の所得が20万円以下でも、確定申告をしない場合は、住民税の申告が必要です。確定申告をする場合は、住民税の申告を改めて出す必要はないと、横浜市と名古屋市が案内しています。

判断の順番は、1年分の収入と経費から所得を出し、20万円と比べ、確定申告をするかを決め、しない場合は区市町村の期限までに住民税の申告書を出すことです。申告先と期限は自治体で違うため、お住まいの区市町村のページで確かめてください。

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シオン|フルミエール ライター

在宅ワーク・SNS発信・暮らしの情報を扱うフルミエールの筆名ライター。編集は株式会社S.Lineが行っています。

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