在宅ワークのポートフォリオの作り方|未経験の見本づくりと載せてはいけない情報

在宅ワークのポートフォリオの作り方|未経験の見本づくりと載せてはいけない情報
📅 公開日: 2026年10月9日🔄 最終更新: 2026年10月30日

在宅ワークのポートフォリオは、依頼者に「この人にはこういう仕事を任せられそうだ」と判断してもらうための見本集です。実務の経験が少なくても、自分で課題を決めて作った見本を数点そろえれば、応募の場で見せられる材料になります。一方で、前の職場や過去の依頼で知った情報を載せてしまうと、守秘義務や個人情報の問題につながるため、載せる前の確認が欠かせません。

この記事では、未経験から見本を作る手順、載せてよい情報と載せてはいけない情報の分け方、他人の著作物を使うときの注意、見せ方と更新のしかた、応募時の添え方を順に整理します。見本の題材、説明文、応募文はすべて「仮の例」で、自分の仕事に合わせて置き換えて使う前提です。収入や受注の見込みを示す記事ではなく、見せる資料を安全に整えるための手順をまとめたものです。

案件の探し方そのものは在宅ワークのクラウドソーシング比較|手数料・案件の探し方・選び方で扱っています。この記事は、探した先で提出する「見せる資料」を作る側の手順に絞っています。

目次

在宅ワークのポートフォリオは、依頼者に「任せられる範囲」を見せる資料

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ポートフォリオとは、これまでに作った成果物や、練習として作った見本を、目的別にまとめて依頼者に見せる資料のことです。履歴書が経歴を文字で伝えるのに対し、ポートフォリオは仕事の出来を実物で伝える役割を持ちます。

在宅ワークの依頼者は、多くの場合、応募者と直接会わずに仕事を任せるかどうかを決めます。顔が見えない相手に仕事を頼むとき、依頼者が知りたいのは、人柄の良さよりも「依頼した内容を、期待した水準で、期日までに仕上げてくれそうか」という点です。ポートフォリオは、その問いに文章だけで答えるのが難しいときの補助になります。

ポートフォリオと聞くと、デザインや動画のように作品が目に見える職種だけのものだと思われがちです。しかし、文章作成、資料作成、データ入力、問い合わせ対応の文面作成、スケジュール調整の手順書づくりなど、事務系の仕事でも見せられる材料はあります。たとえば、整った見本の表や、読みやすく直した文章の前後比較は、仕事の丁寧さが伝わる見本になります。

すべての仕事でポートフォリオが求められるわけではありません。募集要項に提出物の指定がなければ、職務経歴と対応できる作業の一覧だけで足りることもあります。ただ、未経験で実績の欄が空いている場合は、見本を数点用意しておくと、応募のときの説明が具体的になります。応募先がポートフォリオの提出を求めているかどうかは、募集の文面で確認してください。

作る前に決める3つのこと:応募先・見せる仕事・置き場所

作る前に決めるのは、どんな募集に出すのか、どの種類の仕事を見せるのか、見本をどこに置くのかの3つです。この3つが決まっていないと、見本が増えるだけで、応募先に合った資料にならないまま時間が過ぎます。

1つ目は、応募先です。募集の種類によって、依頼者が見たい見本は変わります。たとえば、文章作成の募集なら読みやすい文章の見本、資料作成の募集なら整えた資料の見本、事務サポートの募集なら表計算の整理例や手順書の見本が向いています。いくつかの募集の文面を読み、共通して求められている作業を拾い出すと、作るべき見本の方向が見えてきます。

2つ目は、見せる仕事です。やれることをすべて並べると、何の仕事を頼めばよいのか依頼者に伝わりません。最初は、1〜2種類の仕事に絞って、その種類の見本を並べるほうが印象は整います。後から種類を増やす余地は残しておき、まずは「この人には、この種類の仕事を頼める」と分かる状態を目指します。

3つ目は、置き場所です。ファイルをそのまま添付する方法、クラウドの共有リンクで見せる方法、ポートフォリオ用のページを作る方法などがあります。どの方法でも、閲覧できる相手を自分で管理できる形にしておくことが大切です。共有リンクを使う場合は、リンクを知っている人なら誰でも見られる設定になっていないかを、公開前に確認します。クラウドの設定の見直し方は、在宅ワークで扱う情報の守り方|PC・クラウド・SNSの管理ルールの決め方に整理しています。

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未経験でも作れる見本は、自分で出した課題から作る

未経験者の見本とは、実際の依頼を受けた成果物ではなく、自分で課題を設定して作った練習の成果物のことです。見せるときは「自分で設定した課題で作った見本」と明記するのが基本で、実績と混ぜない点が重要です。

実務の経験がない段階では、見せられる成果物がありません。そこで、自分で課題を決めて、それに対する成果物を作ります。課題は、募集でよく見かける作業から選ぶと、依頼者が想像しやすくなります。たとえば、架空の小さなお店の紹介文を書く、散らかった打ち合わせメモを読みやすい議事録に整える、ばらばらの数字を表にまとめて見やすくする、といった題材です。

ここで押さえておきたいのは、見本は見本として扱うことです。自分で作った見本を、実際に受けた依頼の成果のように見せてはいけません。「仮の課題で作成」「架空の店舗を想定」のように、見本であることを一言添えておけば、依頼者は何を見ているのかを正しく理解できますし、後から誤解を招くこともありません。実績がないこと自体は、隠す必要のある欠点ではありません。見本の出来と、作った過程の説明のほうが、判断の材料になります。

課題を設定するときは、依頼者が実際に出しそうな条件を自分で決めておくと、見本が現実に近づきます。たとえば、読み手は誰か、どのくらいの分量か、いつまでに仕上げる想定か、といった条件です。条件を書いておくと、「条件に合わせて作った」という説明がそのまま見本の説明文になります。

見本の数は、多ければよいわけではありません。同じ種類の見本が数点あれば、仕事の傾向は十分に伝わります。点数を増やすより、1点ごとの説明を丁寧にして、見る人が迷わない状態にしておくほうが、確認する側の負担は小さくなります。

職種別の見本の題材と、載せるときの注意(仮の例)

見本の題材は、募集の種類に合わせて選びます。ここでは事務・文章・資料・問い合わせ対応の4種類について、題材の例と、載せるときに気をつける点を表にしました。

次の表は、仮の例としての題材案です。実在の会社名や実在の個人の情報は使わず、架空の設定で作ることを前提にしています。

仕事の種類 見本の題材(仮の例) 載せるときの注意
事務サポート 架空の小さな店の月ごとの売上を整理した表と、集計の手順を書いた説明書 実在の取引先や顧客の名前、数字を使わず、すべて架空の値にする
文章作成 架空の商品の紹介文と、書き方を変えた2種類の比較 他のサイトの文章を写さず、自分の言葉で書く。参考にした資料があれば出典を控える
資料作成 架空のサービスを紹介する数枚の資料 使う写真やイラストは、利用条件を確認した素材か、自分で作ったものだけにする
問い合わせ対応 よくある質問を想定した返信文の例と、言い回しの使い分けの説明 過去に受けた実際のやり取りを元にせず、想定した場面で書く

4種類の題材に共通しているのは、元になる情報をすべて自分で用意できる点です。実在の会社や人を題材にすると、載せてよいかどうかの確認が必要になりますが、架空の設定であれば、その確認の手間を減らせます。迷ったときは、架空の設定に置き換える方向で考えると安全です。

在宅ワークの仕事の種類そのものに迷っている場合は、在宅ワーク未経験の女性でもできる仕事15選|資格なしOKで仕事の種類を確認してから、見せる見本を選ぶと進めやすくなります。

見本1点には、課題・工夫・使った道具の説明を添える

見本の説明文とは、見本の横に添える短い文章のことで、課題の条件、自分が考えた工夫、使った道具、見直した点を書きます。成果物だけを置くより、考え方まで見えるため、依頼者が仕事の進め方を想像しやすくなります。

見本に説明がないと、依頼者は、どんな条件で作られたものなのか、どこを工夫したのかが分からないまま判断することになります。説明文があれば、条件に対して何を選んだかが伝わり、仕事の考え方を見てもらえます。

説明文には、次のような内容を、短い文章で書きます。まず課題の条件、つまり誰に向けて、どんな目的で作ったのかです。次に、工夫した点で、読みやすさのために何を変えたか、間違いを減らすためにどんな確認をしたか、といった内容です。そして、使った道具の名前と、見直しの回数や方法です。作業にかかった時間を書く場合は、実際に自分で測った範囲にとどめます。

仮の例として、架空の店の紹介文の見本に添える説明文を書いてみます。

「【課題】架空の小さなパン屋を、初めて知る人に紹介する文章。【条件】読み手は近所に住む人で、短い時間で読める長さ。【工夫】店の特徴を最初の2文に集め、続きに営業の情報を並べた。【使った道具】文書作成ソフト。【見直し】書き終えてから声に出して読み、言い回しを整えた。※架空の店を想定した見本です。」

この説明文のように、課題、条件、工夫、使った道具、見直しを短く並べるだけで、依頼者は作り手の考え方を読み取れます。末尾に、見本であることを示す一文を入れておくと、実績との混同も防げます。

載せてはいけない情報:前職の患者情報と守秘義務

守秘義務とは、仕事上で知った他人の秘密を漏らしてはならないという義務のことです。看護職の経験がある方がポートフォリオを作るときは、勤務先で知った患者さんの情報を、見本や実績の説明に一切使わないことが大前提になります。

保健師助産師看護師法の第42条の2には、保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない、という内容が定められています。さらに、保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても、同様とされています。条文はe-Gov法令検索の保健師助産師看護師法で確認できます。同じ法律の第44条の4には、この規定に違反した場合の罰則が定められており、6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金とされています。

この条文が意味するのは、退職した後も、仕事で知った人の秘密を漏らしてはならないということです。在宅ワークに移ったからといって、前の職場で知った情報を自由に使えるようになるわけではありません。ポートフォリオの題材に、実際の患者さんのやり取りや、症例をもとにした文章、病棟で使っていた書類をそのまま載せることは避けてください。

名前を伏せれば大丈夫だと考えがちですが、年齢、病名、時期、場所などの組み合わせから、特定できてしまうことがあります。そのため、名前を消すだけでなく、元になった実際の出来事そのものを題材にしない、という方針のほうが安全です。見本の題材は、架空の設定で一から作るほうが、確認の手間も、漏らしてしまう危険も小さくなります。

前職のマニュアルや書式、院内の資料を元にした見本も、同じように扱います。勤務先の資料は、勤務先のものです。自分で作った文書であっても、勤務先の業務の中で作ったものは、持ち出して見本にしてよいかどうかを、勤務先の決まりに照らして確認する必要があります。迷ったときは、載せない、が基本です。

個別の事情で守秘義務の範囲に迷う場合は、この記事だけで判断せず、勤務していた施設の決まりを確認したり、法律の専門家に相談したりしてください。この記事は、一般的な考え方の整理であり、個別の判断を示すものではありません。

載せる前の個人情報チェック:他人の情報と自分の情報

個人情報とは、生存する個人に関する情報で、氏名や生年月日などによって特定の個人を識別できるもののことです。他の情報と容易に照合でき、それによって特定の個人を識別できるものも含まれます。

個人情報保護委員会の法令・ガイドライン等のページには、個人情報保護法のほか、ガイドライン(通則編など)やQ&Aが掲載されています。個人情報の具体的な範囲や扱い方に迷うときは、このページから該当するガイドラインで確認してください。

ポートフォリオに載せる情報は、他人の情報と、自分自身の情報の2種類に分けて確認します。他人の情報には、過去の依頼者や取引先の名前、連絡先、顧客の情報、やり取りの内容が含まれます。自分の情報には、本名、住所、電話番号、家族の情報、勤務先などが含まれます。どちらも、必要のない情報は載せないのが基本です。

次の表は、載せる前の確認の目安を、仮の例としてまとめたものです。

情報の種類 扱いの目安 確認のしかた
過去の依頼者や取引先の名前 契約や相手の許可がない限り載せない 契約書の秘密保持の条項と、掲載してよいかの取り決めを確認する
患者さんや利用者さんに関する情報 載せない。名前を伏せても元の出来事を題材にしない 架空の設定で作り直す
自分の住所・電話番号・家族の情報 公開用のポートフォリオには載せない 連絡先は応募先が指定した方法だけにする
架空の設定で作った見本 見本であることを明記して載せてよい 実在の会社名や人物と偶然重ならないか、ざっと検索して確かめる

表の4行を見ると、載せやすいのは、自分で一から作った架空の見本だけです。他人の情報が含まれるものは、載せる前に、本当にその情報が必要かを考え、必要がなければ外します。契約を結んで受けた仕事の成果物については、次の見出しで扱います。

契約を結んで受けた仕事の成果物は、載せてよいか取り決めを確認する

受注した仕事の成果物は、依頼者との契約や取り決めによって、ポートフォリオに載せてよいかどうかが変わります。載せる前に、秘密保持の条項と、実績として掲載してよいかの取り決めを確認することが基本の手順です。

実際に仕事を受けるようになると、その成果物を見本にしたくなります。ただ、成果物の扱いは、契約の内容に左右されます。秘密保持の条項があれば、依頼の内容や成果物を他に見せられない場合があります。また、著作物の権利を依頼者に渡す取り決めになっている場合もあります。契約で確認する項目は、在宅ワークの業務委託契約で確認する項目|報酬・納期・秘密保持の見方に整理しています。

取り決めがはっきりしない場合は、依頼者に「実績として、成果物の一部を、社名を伏せて掲載してもよいか」を、文章で確認しておくと安心です。口頭の了承だけでは、後で食い違ったときに確認が難しくなります。許可を得た場合は、どの範囲まで載せてよいか、社名を出してよいか、といった条件も一緒に記録しておきます。

許可が出なかった場合や、確認できなかった場合は、その仕事を実績として載せない判断になります。そのときは、同じ種類の仕事の見本を、自分で課題を設定して作り直す方法があります。仕事で得た経験は、見本を作るときの工夫として生かせますが、成果物そのものを無断で使うことは避けます。

依頼者から修正の指示を受けた成果物の扱いについても、事前に考えておくと迷いません。修正の範囲や追加作業の相談の仕方は、在宅ワークの修正依頼への対応|修正範囲の確認方法と追加作業の相談の伝え方が参考になります。

他人の著作物を使うときの注意:画像・文章・素材

著作物とは、思想や感情を創作的に表現したものを指し、文章、写真、イラスト、音楽などが含まれます。ポートフォリオに他人の著作物を使うときは、利用してよい条件を確認してから使うことが基本です。

ポートフォリオを作るとき、見栄えを整えるために、写真やイラスト、文章の一部を他から借りたくなる場面があります。インターネット上にあるからといって、自由に使えるとは限りません。著作物には作った人の権利があり、使い方によっては、許可が必要になります。文化庁の著作権Q&Aでは、著作物、著作者、著作権、保護期間、利用方法といった著作権制度の基本的な考え方を、Q&A形式で確認できます。

実際の確認では、次のような点を見ます。まず、使いたい素材が、どこから来たものかです。素材を提供しているサイトであれば、利用規約に、商用の利用や加工の可否、クレジット表記の要否が書かれていることが多いので、規約を読んで条件に合うかを確認します。次に、他人の文章を引用する場合は、自分の文章が主になっていて、引用部分が分かるようになっているかを確認します。引用に当たるかどうかの考え方は、先ほどの文化庁のページで確認してください。

生成AIなどのツールで作った画像や文章を見本に使う場合も、使うツールの利用規約を確認します。作った成果物をどのように使ってよいかは、ツールごとに定めが異なります。また、依頼者への提出物として使えるかどうかは、募集や契約の内容に左右されるため、ポートフォリオ用と、実際の納品用で、分けて考えます。AIを使った在宅ワークの始め方は、AIを使った在宅ワークの始め方|未経験から安全に試す手順でも扱っています。

素材の確認が難しい場合は、自分で撮った写真や、自分で描いた図を使うのが安全です。自作の素材なら、利用条件を調べる手間がなく、見本の独自性も高まります。他人の著作物を使う場合は、使った素材の名前と提供元を、見本の説明文の隅に控えておくと、後から確認するときに役立ちます。

見せ方:置き場所・並べ方・最初に見せる1点を決める

見せ方とは、見本をどの順番で、どのくらいの量で、どこに置いて依頼者に見てもらうかを決めることです。見る人は短い時間で判断するため、最初に見せる1点と、全体の並べ方が印象を左右します。

依頼者は、応募者の数が多いほど、一人ひとりの資料を長い時間かけて見られません。そのため、最初に目に入る位置に、応募先の募集に最も近い見本を置きます。残りの見本は、その後に続けて並べ、見る人が上から順に見ていくだけで、仕事の幅が分かる構成にします。

次の表は、置き場所ごとの特徴を、仮の例として比較したものです。どれが優れているということではなく、応募先の指定と自分の使いやすさで選びます。

置き場所 向いている場面 気をつける点
応募フォームへの添付 提出物の指定がある募集 ファイルの大きさや形式の指定を守る。個人情報が残っていないかを開いて確認する
クラウドの共有リンク 見本の点数が多く、添付しにくいとき 閲覧できる範囲の設定を確認する。応募後に不要になったら共有を止める
ポートフォリオ用のページ 複数の募集に繰り返し使いたいとき 公開範囲が広くなるため、他人の情報や権利の確認をより丁寧に行う

置き場所の中で、公開範囲が最も広いのは、誰でも見られるページです。そのため、載せる見本は、他人の情報が含まれない、自作の見本に絞ります。特定の応募先にだけ見せたい資料は、共有リンクや添付のように、見せる相手を限定できる方法を選びます。

並べ方では、同じ種類の見本をまとめ、種類ごとに見出しを付けると見やすくなります。1点ごとに、題名、課題の条件、説明文、見本の順で並べ、どの見本も同じ形式にそろえます。形式がそろっていると、依頼者は見るたびに読み方を変える必要がなく、内容に集中できます。

更新のしかた:見本を足す・外す・見直すタイミング

ポートフォリオの更新とは、見本の追加、古い見本の入れ替え、載せてはいけない情報が残っていないかの再確認を、定期的に行うことです。作って終わりにせず、仕事の経験が増えるたびに見直すことで、内容を応募先に合わせられます。

最初に作ったポートフォリオは、作った時点の自分を示す資料です。仕事の経験が増えたり、応募先の種類が変わったりすれば、見せたい内容も変わります。更新の目安は、新しい種類の仕事に応募するとき、新しい見本ができたとき、そして定期的な見直しのときです。

更新のときには、見本を足すだけでなく、外す判断も行います。応募先の仕事と関係が薄くなった見本、今の自分の水準から見て説明に使いたくない見本は、外して構いません。点数が増えすぎると、見る側が探す手間が増えてしまいます。新しい見本を1点足したら、古い見本を1点見直す、といった形で、全体の量を保つ方法もあります。

見直しのたびに、載せてはいけない情報が残っていないかを、もう一度確認します。契約で受けた仕事を載せている場合は、掲載の許可が続いているか、契約の期間が終わって取り決めが変わっていないかも見ます。ファイルの作成者情報や、画像に残った位置情報などが、意図せず残っていないかも、公開前に確認しておくと安心です。

見直しの習慣づけには、週に一度の振り返りの中に「ポートフォリオの確認」を1行だけ入れる方法があります。振り返りの進め方は、在宅ワークの週次振り返りのやり方|作業時間・収支・体調を見直す手順に整理しています。毎週すべてを更新する必要はなく、気づいた点をメモしておき、まとめて直す程度でも続けやすくなります。

応募時の添え方:応募文でポートフォリオをどう案内するか

応募時の添え方とは、応募文の中でポートフォリオの存在と見どころを短く案内し、依頼者が迷わず見本にたどり着けるようにすることです。見本の量を訴えるより、募集の内容に合う見本を指し示すほうが、読む側の負担が小さくなります。

応募文には、ポートフォリオのリンクや添付ファイルがあることを、冒頭か中盤に書きます。そのうえで、募集の内容に最も近い見本を1〜2点だけ名指しで案内します。「見本をご覧ください」だけでは、依頼者はどれを見ればよいのか分かりません。どの見本が、募集のどの作業に近いのかを、一文で示します。

仮の例として、応募文の一部を書いてみます。

「ポートフォリオを添付いたしました。募集の内容に近いものとして、2ページ目の『架空のパン屋の紹介文』と、4ページ目の『売上表の整理と集計手順の説明書』をご覧いただければ幸いです。いずれも、自分で課題を設定して作成した見本で、実際のご依頼の成果物ではありません。条件や分量を変えた場合の対応についても、ご相談いただけます。」

この例のように、見本の場所を示し、見本であることを明記し、相談に応じる姿勢を添えると、応募文が簡潔にまとまります。実績のように見せかけず、見本として正直に伝えることが、後の信頼につながります。

応募の際、見本の点数や作業量について、実際より多く見せたり、できないことをできるように書いたりすることは避けます。応募文と実際の対応が食い違うと、依頼を受けた後に困るのは自分自身です。できることと、まだ経験の少ないことを、分けて伝えるほうが、依頼者にとっても判断しやすくなります。

報酬や単価の相談が出てきた場合は、見本の出来だけでなく、条件の確認も欠かせません。単価の考え方は、在宅ワークの単価の決め方と値上げの伝え方|時間単価の計算手順と交渉の文例が参考になります。

ポートフォリオ作りで起きやすい失敗と、直し方

ポートフォリオ作りの失敗とは、見本を作り込みすぎて応募が遅れる、載せてはいけない情報を残す、見本と実績を混ぜる、といった形で起きるものです。起きやすい型を知っておけば、公開前の確認で防げます。

1つ目の失敗は、完成度にこだわりすぎて、応募できないまま時間が過ぎることです。見本は、最初から完璧である必要はありません。数点を作って応募し、依頼者の反応や募集の文面から、足りない見本を見つけて追加していくほうが、現実に合った資料になります。

2つ目は、公開前の確認が足りず、他人の情報や自分の個人情報が残ってしまうことです。画像の端に写り込んだ書類、文書ファイルの作成者名、表の隠れた列など、見落としやすい箇所があります。公開前に、実際に自分以外の人が見る形で開き直して、確認する習慣をつけると、見落としを減らせます。

3つ目は、見本と実績の混同です。自分で作った見本を、実際の仕事の成果物のように見せてしまうと、応募先との信頼を損ねます。見本であることを明記する、見本と実績を別の欄に分ける、といった整理で防げます。

4つ目は、1つの資料にあらゆる種類の仕事を詰め込んでしまうことです。応募先ごとに、見せる見本を入れ替えて、募集に近いものを前に出します。種類が違う募集に出すときは、資料のコピーを作り、不要な見本を外して使い分けると、元の資料を崩さずに済みます。

次の表は、これらの失敗と、公開前に見る場所を、仮の例としてまとめたものです。

起きやすい失敗 防ぐための確認
完成度にこだわって応募が遅れる 数点が仕上がった段階で応募し、足りない見本は後から足す
他人や自分の情報が残る 公開前に開き直し、画像の端、ファイルの作成者情報、隠れた列を見る
見本と実績を混ぜてしまう 見本であることを明記し、実績と別の欄に分ける
種類の違う仕事を1つに詰め込む 応募先ごとに資料の複製を作り、募集に近い見本を前に出す

よくある質問(FAQ)

Q1. 実績がまったくなくても、ポートフォリオは作れますか。
作れます。自分で課題を設定して作った見本であれば、実績がなくても資料として見せられます。ただし、見本であることを明記し、実際の依頼の成果物と混ぜないことが条件です。見本の点数よりも、1点ごとの説明の丁寧さのほうが、依頼者の判断材料になります。
Q2. 看護師として働いていた経験は、ポートフォリオに書いてよいですか。
職種や経験した分野を、職務経歴として書くことはできます。ただし、勤務先で知った患者さんの情報や、院内の資料は載せないでください。保健師助産師看護師法の第42条の2は、業務上知り得た人の秘密を漏らさないことを定めており、資格を離れた後も同様とされています。詳しくはe-Gov法令検索で条文を確認してください。個別の判断に迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。
Q3. 名前を伏せれば、過去の依頼の成果物を載せても大丈夫ですか。
名前を伏せるだけでは足りない場合があります。契約に秘密保持の条項があったり、成果物の権利が依頼者にあったりすると、掲載できないことがあります。載せる前に、依頼者へ文章で掲載の可否を確認し、許可の範囲を記録しておくと安心です。
Q4. 素材サイトの画像や、生成AIで作った画像を見本に使ってもよいですか。
利用してよい条件は、素材サイトやツールごとに異なります。利用規約で、商用の利用、加工、表記の要否などを確認してから使ってください。著作権の基本的な考え方は、文化庁の著作権Q&Aで確認できます。条件の確認が難しい場合は、自分で撮った写真や自作の図を使うのが安全です。
Q5. ポートフォリオは、誰でも見られるページに公開したほうがよいですか。
公開する義務はありません。応募先ごとに添付や共有リンクで見せる方法でも足ります。誰でも見られるページは、見せる相手を限定できないため、他人の情報や権利の確認をより丁寧に行います。公開するかどうかは、応募先の指定と、自分の管理のしやすさで決めてください。
Q6. 見本は何点くらい用意すればよいですか。
決まった点数はありません。応募先の募集に近い種類の見本が、数点そろっていれば、仕事の傾向は伝わります。点数を増やすことより、1点ごとの説明を丁寧にして、見る人が迷わない構成にすることを優先してください。

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まとめ:安全に作れる見本から始め、応募に合わせて整える

在宅ワークのポートフォリオは、依頼者に仕事の出来と進め方を見せるための資料です。実績がない段階でも、自分で課題を決めて作った見本を、見本と明記して並べれば、応募の場で見せられる材料になります。

載せる情報の確認では、前職で知った患者さんの情報は題材にしないこと、他人や自分の個人情報を必要以上に載せないこと、契約で受けた仕事は取り決めを確認してから載せること、他人の著作物は利用条件を確認してから使うことが基本です。迷ったときは、載せないか、架空の設定で作り直す方向で判断します。

見せ方では、応募先に近い見本を最初に置き、形式をそろえ、見せる相手を限定できる置き場所を選びます。更新は、新しい種類の仕事に応募するときや、見本が増えたときに、足す、外す、再確認するの3つを行います。応募文では、見本の場所を示し、見本であることを明記し、できることと経験の少ないことを分けて伝えてください。

読み終えたら、次は発信の準備を

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