看護師の休職から復帰が怖い時の対処法|復帰しないという選択肢もある

看護師の休職から復帰が怖い時の対処法|復帰しないという選択肢もある
📅 公開日: 2026年5月11日🔄 最終更新: 2026年11月1日
目次

この記事でわかること

LINEでインスタ大学の受取案内を見る

Instagramを学びたい方は、LINEで教材の受取案内を確認できます。

LINEでインスタ大学の受取案内を見る

  • 復帰が怖いのは普通のこと
  • 怖い理由5つ
  • 段階的復帰プログラム
  • 再発防止のための工夫
  • 復帰を支える制度を知っておこう
  • 看護師以外の仕事という選択肢
  • 復帰が怖い時に読んでほしい言葉
  • 復帰 vs 転職 vs 退職:判断フローチャート

復帰が怖いのは普通のこと

休職明けに復帰が怖いのは自然な反応で、弱さではありません。主治医と復帰できる状態かを確かめ、いきなりフルタイムに戻らず段階的に慣らし、異動や転職も選択肢に残しておくのが基本の対処です。

「復帰日が近づくと動悸がする」「眠れない」「涙が出る」。そんな状態で、毎日不安を抱えている看護師さんは少なくありません。

この記事では、復帰が怖い時の具体的な対処法を順に整理します。復帰を支える公的な制度と、復帰しないという選択肢も取り上げます。

医療や制度の判断は人によって変わります。不安が強い時は、通院先の主治医に相談しながら読み進めてください。

「怖い」と感じることは正常な反応

一度つらくなった場所に戻ると考えて、体が身構えるのは自然な防衛反応です。「怖いと思う自分が弱い」と責める必要はありません。

大切なのは、怖さの正体を言葉にして、一つずつ対処を考えることです。正体が分かると、主治医や職場に伝える内容も具体的になります。

復帰への不安が看護師に出やすい背景

看護の仕事は、患者さんの命や安全に関わります。「ミスをしたらどうしよう」というプレッシャーは、復帰前の不安をいっそう大きくします。

休職の原因が職場の人間関係や業務量だった場合は、復帰先の環境が変わっていない可能性もあります。怖さを感じるのは、環境を冷静に見ている証拠とも言えます。

休職から復帰までの全体の流れは、看護師のうつ・休職から復帰まで|手続きの流れと復帰前に確認することでも整理しています。

この記事の読み方

先に結論だけ知りたい方は、次の3つを押さえてください。詳しい理由と手順は、後の見出しで説明します。

  • 復帰するかどうかは、自分だけで決めず主治医と一緒に確かめる
  • 復帰する場合は、勤務時間や業務を少しずつ増やす形を勤務先に相談する
  • 復帰以外の道も比べたうえで、納得できる選択をする

LEARNING GUIDE

インスタで人生を変えたいあなたへ

インスタ大学の教材について、LINEで受取案内を確認できます。

LINEでインスタ大学の受取案内を見る

※ 受取方法はLINEの案内をご確認ください。

怖い理由5つ

怖い理由5つの図解
怖い理由5つの要点を整理した図解

理由1: 再発への恐怖

一番大きいのは、「また同じ状態に戻るかもしれない」という再発への恐怖です。休職中は、思い出しただけで動悸がする人もいます。

恐怖を完全になくそうとするより、再発の兆しに早く気づく準備を進めましょう。

具体的な準備は、後半の「再発防止のための工夫」で説明します。

理由2: 人間関係と周囲の目への不安

復帰すると、休職前と同じメンバーと顔を合わせることになります。「どう思われているだろう」「陰で何か言われていないかな」と考えてしまいます。

迷惑をかけたという罪悪感と、理解してもらえないかもしれない不安が、同時に押し寄せます。腫れ物に触るように扱われるのも、何事もなかったように接されるのも、落ち着かないものです。

職場の見方は自分では変えられません。復帰前に上司や産業医と、周囲への伝え方を相談しておくと負担が軽くなります。

理由3: ブランクと「前と同じように働けるか」という不安

休職が長くなるほど、「看護技術が鈍っていないか」という心配が大きくなります。点滴の手技、心電図の読み取り、急変時の対応などが典型です。

複数の患者さんを同時に受け持つ感覚や、先輩への報告のテンポにも不安が出ます。

復帰直後に、休職前と同じ働きぶりを求められるとは限りません。業務の量や種類を絞って始められるかを、復帰前の面談で確認しましょう。

理由4: 体力の低下

休職中は外出や運動が減り、体力が落ちている人が多くなります。看護の仕事は、長い勤務時間、夜勤、ナースコール対応など体力を使う場面が続きます。

体力が戻らないまま復帰すると、身体の疲れが気分にも影響しやすくなります。復帰の前から、散歩など無理のない活動を少しずつ増やしておくと安心です。

理由5: 「また迷惑をかけるかも」という罪悪感

自分が休んだ間に、同僚へ負担がかかったと感じている人は多くいます。「また調子を崩したら、さらに迷惑をかける」と考えて、一歩を止めてしまいます。

病気で休むことは、責められることではありません。「迷惑をかけない」ことを目標にするより、「無理が出る前に伝える」ことを目標にするほうが、職場にとってもありがたい場合が多いはずです。

怖い理由の比較まとめ

5つの怖さは、それぞれ最初にできる対処が違います。次の表で、相談先と一歩目を整理しました。

怖さの種類 起きやすい場面 最初の一歩
再発への恐怖 復帰日が近づく時期 主治医に体の反応を具体的に伝える
人間関係・周囲の目 復帰初日、申し送りの場面 復帰前の面談で配置や伝え方を相談する
ブランク・自信 手技や急変対応を考える時 業務を絞って始められるか確認する
体力の低下 勤務時間や夜勤を想像する時 散歩など軽い運動で生活リズムを整える
罪悪感 同僚の顔が浮かぶ時 無理が出る前に伝える合図を決めておく

復帰の判断は主治医と一緒に

復帰するかどうかは、自分だけで決めずに主治医と相談してください。「もう大丈夫」と感じていても、実際はまだ早いことがあります。逆に「まだ無理」と思っていても、主治医が復帰可能と判断する場合もあります。

厚生労働省の職場復帰支援のページによると、主治医の判断は日常生活での回復の程度を基にしていることが多く、職場で求められる業務の遂行能力まで回復しているとは限りません。そのため、産業医などが主治医の意見と職場で必要な内容を確認する流れが示されています。

主治医に伝えておきたいこと

診察では、次の点をメモして伝えると、状態が正確に伝わります。

  • 睡眠の状態(寝つき、夜中や早朝に目が覚めるか)
  • 食欲の状態
  • 日中の活動量
  • 仕事を考えた時の体の反応(動悸、吐き気、涙など)
  • 復帰への意思と、不安の具体的な中身

「早く復帰しなければ」というプレッシャーから、実際より良い状態を伝えてしまう人がいます。正直に伝えることが、無理のない復帰につながります。

復帰の診断書と産業医面談

勤務先に復帰を伝えると、主治医の診断書を求められるのが一般的です。厚生労働省の職場復帰支援の手引きでは、診断書に就業上の配慮についての具体的な意見を書いてもらうことが示されています。

産業医の面談がある職場では、時短勤務や夜勤の免除などの勤務条件をここで相談します。希望は遠慮せず、具体的に伝えておきましょう。

段階的復帰プログラム

段階的復帰プログラムの要点を整理した図解
段階的復帰プログラムの要点を整理した図解

いきなりフルタイムに戻らない

復帰でいちばん避けたいのは、いきなり元どおりの勤務に戻ることです。勤務時間や業務の内容を、段階的に増やしていく形が基本になります。

病院によって、制度の有無や名前は異なります。勤務先の就業規則や人事担当に、段階的な復帰ができるかを確認してください。

職場復帰支援の標準的な流れ

厚生労働省の職場復帰支援のページは、休業から復帰後までを5つのステップで示しています。勤務先がこの形に沿っているとは限りませんが、全体像をつかむ目安になります。

  1. 休業の開始と、休業中のケア
  2. 主治医による復帰可能の判断
  3. 復帰の可否の判断と、職場復帰支援プランの作成
  4. 最終的な復帰の決定
  5. 復帰後のフォローアップ

第3ステップの支援プランは、産業保健スタッフが中心となり、上司や本人と連携して作られます。自分の希望や不安は、このプランに反映してもらう気持ちで伝えましょう。

段階的復帰の具体例

次の表は、段階的に慣らしていく流れを示した仮の例です。実際の進め方は、主治医の意見と勤務先の制度で変わります。

段階 内容の例 確認する相手
準備 起床時間や通勤の練習、散歩で体力を戻す 主治医
慣らし 短い勤務時間から始め、業務を限定する 産業医・上司
拡大 体調を見ながら勤務時間や業務を増やす 産業医・上司
通常勤務 夜勤の再開などを、状態を見て判断する 主治医・産業医

試し出勤などの慣らし方

厚生労働省の職場復帰支援の手引きには、正式な復帰の前に「試し出勤」を設けると、早い段階で復帰の準備を始められ、本人の不安も和らげられると書かれています。

ただし、制度として導入するかどうかは職場ごとの判断で、処遇や位置づけのルールを決めておく必要があります。使えるかどうかは、人事や産業医に確認してください。

復帰後の配置や勤務条件を相談する

同じ部署に戻ることが怖い場合は、異動の希望を伝える選択肢があります。夜勤の免除や短時間勤務、定期的な面談も、相談できる内容です。

叶うかどうかは職場の事情によります。それでも、伝えなければ検討の入り口にも立てません。希望と、どこまでなら譲れるかを事前に整理しておくと話し合いが進みます。

再発防止のための工夫

再発防止のための工夫の要点を整理した図解
再発防止のための工夫の要点を整理した図解

自分の「限界サイン」を知る

再発を防ぐうえで大切なのは、つらくなる前の「サイン」を知っておくことです。人によって出方は違うので、休職前や休職の初期を振り返って書き出してみましょう。

  • 朝起きた時に涙が出る
  • 食欲が落ちる
  • 休日に何もしたくなくなる
  • 人と話すのが億劫になる
  • 夜眠れなくなる

これらは例です。自分のサインが出たら、「まだ大丈夫」と我慢せず、早めに主治医へ相談してください。

逃げ場と相談先を複数持つ

「ここがだめでも、他の道がある」と思えることは、心の支えになります。職場だけに頼らず、家族や友人、通院先、産業医など、相談先を複数持っておきましょう。

転職や副業の情報を眺めておくだけでも、「この職場しかない」という思い込みがゆるみます。副業の選び方は看護師の副業おすすめ10選で紹介しています。

定期通院を続ける

症状が落ち着いても、自己判断で通院をやめないでください。主治医との関係を続けておくと、変化に早く気づいてもらえます。

通院をいつまで続けるかは、主治医と相談して決めましょう。薬を減らす、やめるといった判断も、主治医と一緒に決めます。

休むことに罪悪感を持たない

真面目な人ほど、「休む=さぼり」と考えがちです。けれども、休むことは回復のために必要な行動です。

復帰後も有給休暇や休日を使って、仕事から離れる時間をつくってください。休日に仕事のことを考え続けない工夫も、再発を防ぐ助けになります。

再発防止策の比較

再発防止の工夫は、続けやすさと相談先が違います。次の表を参考に、自分に合うものから一つずつ始めてください。

工夫 ねらい 続けるコツ
限界サインの把握 悪化の前に気づく サインを紙やメモアプリに書いておく
定期通院 変化を専門家に見てもらう 通院日を先に予定へ入れる
3行日記 気分の波を客観的に見る 出来事・気持ち・明日の予定だけ書く
呼吸を整える習慣 不安で張りつめた体をゆるめる 寝る前の数分から始める
相談先を複数持つ 一人で抱え込まない 連絡する相手を先に決めておく

考え方のクセに気づく(認知行動療法の考え方)

認知行動療法は、物事の受け止め方のクセに気づき、現実的な考え方に近づけていく心理療法の一つです。医療機関やリワークで取り組む場合は、主治医や専門職の指導のもとで行われます。

たとえば「ミスをしたら終わり」という考えは、極端になりがちです。実際には報告や対処の手順があり、一度のミスで全てが終わるわけではない、と見直す練習をします。

日記で気持ちを見える形にする

復帰後は気分の波が大きくなる人もいます。短い日記をつけると、自分のパターンが見えてきます。

書くのは、今日の出来事、感じた気持ち、明日やりたいことの3行で十分です。つらい日は「つらい」と書くだけで構いません。

「今ここ」に意識を向ける習慣

復帰が怖い時は、未来のことばかり考えてしまいがちです。呼吸に意識を向けて、「今この瞬間」に戻る練習が、気持ちを落ち着ける助けになることがあります。

目を閉じてゆっくり吸って、吐くだけで構いません。短い時間から始め、苦しくなったら中止してください。

「完璧を目指さない」

責任感の強い人ほど、「ミスは許されない」と考えて、自分を追い込みます。その姿勢は立派ですが、完璧を求め続けると心が持ちません。

復帰直後は、仕事の質を落とさずに続けられる範囲を目標にしましょう。「今日はここまでできた」と数えるほうが、長く働き続けられます。

サポートネットワークを作る

復帰後は、一人で抱え込まない仕組みをつくっておくことが大切です。

  • 事情を話せる同僚を一人決めておく
  • 主治医の定期通院を続ける
  • 産業医に相談できる関係をつくる
  • 家族や友人に「つらくなったら連絡する」と伝える

助けを求められる先を複数持つことが、安全網になります。

復帰を支える制度を知っておこう

復帰を支える制度には、通院費を軽くする自立支援医療、休職中の収入を支える傷病手当金、復帰の準備を助けるリワークなどがあります。使えるかどうかは条件で変わるので、公式の案内で確認してください。

制度 内容 確認先
リワーク(復帰支援) デイケアなどでの医療リハビリや、職業リハビリを使った復帰準備 主治医・地域障害者職業センター
自立支援医療(精神通院医療) 通院医療費の自己負担を軽くする公費負担制度 市町村の担当窓口
傷病手当金 病気で仕事を休み給与が受けられない時の所得保障 加入している健康保険
雇用保険の基本手当 退職後に就職活動をする間の給付(病気の場合は延長の仕組みあり) ハローワーク

リワークなど復帰準備の支援

復帰が不安な場合は、デイケアなどの医療リハビリテーションや、地域障害者職業センターなどの職業リハビリテーションを活用する選択肢があります。厚生労働省の職場復帰支援のページでは、地域障害者職業センターなどの職業リハビリについて、主治医との連携のうえで支援制度の活用を検討することが考えられるとされています。

プログラムの内容は施設によって違います。生活リズムを整える、グループで話し合う、軽い作業に慣れるなどが一般的な例です。目的が自分の状況に合うかを、主治医と確認してから選びましょう。

産業医面談の活用法

復帰前の産業医面談は、希望を伝えるための大切な機会です。遠慮せずに、次のような内容を相談してみてください。

  • 夜勤の免除や回数の調整
  • 最初は短い勤務時間で始めたい
  • 元の部署以外への異動の可能性
  • 復帰後の定期的な面談

産業医は、働く人の健康を守る立場から職場に意見を述べます。状態を正直に伝えるほど、現実的な配慮につながりやすくなります。

自立支援医療制度を活用する

厚生労働省の自立支援医療(精神通院医療)の案内によると、通院による精神医療が必要な方について、3割の医療費負担を1割に軽減します。1か月あたりの負担には、世帯の所得に応じた上限があり、所得が一定以上の場合は対象外です。

対象になるのは、病院や診療所への通院、外来での投薬、デイケア、訪問看護などです。入院の費用や、病院以外でのカウンセリングは対象外とされています。

申請は市町村の担当窓口で行い、通院先の医師の診断書などが必要です。必要書類は自治体で異なるため、窓口で確認してください。

傷病手当金の受給条件

協会けんぽの傷病手当金の案内によると、仕事に就けない状態が連続する3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。休業中に給与が支払われている間は支給されず、給与が傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます。

支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。1日あたりの金額は、支給開始日の以前の標準報酬月額の平均を30で割り、さらに3分の2を掛けて計算します。

協会けんぽ以外の健康保険に加入している場合は、協会けんぽの案内と条件や手続きが異なることがあります。勤務先の担当者か加入先に確認してください。

制度は「使える前提」で早めに確認する

休職中や復帰前は、手続きを考える余裕がない時期です。主治医や勤務先の担当者に、使える制度をまとめて質問しておくと、後で慌てずに済みます。

休職の手続きとお金の全体像は、看護師が休職を考える前に知っておくべき手続きとお金・復帰で詳しく説明しています。

看護師以外の仕事という選択肢

看護師の資格を活かす働き方は、病棟勤務のほかにも複数あります。夜勤の有無や収入は職場によって違うため、求人ごとに条件を確認して比べてください。

看護師の資格を活かせる仕事の例

「病棟には戻りたくない」と感じても、資格を活かせる職場はあります。次の表は、代表的な働き方と確認したい点です。

働き方 特徴の傾向 応募前に確認すること
訪問看護 利用者の自宅で一人ひとりに向き合う オンコールや緊急対応の有無
クリニック 外来中心で、勤務時間が決まっている職場もある 診療科、勤務時間、人員体制
健診センター 健診業務が中心の職場がある 繁忙期、採血などの業務量
産業看護(企業の健康管理) 従業員の健康相談や健診の対応 求められる経験や資格
治験コーディネーター(CRC) 臨床試験の調整業務 書類業務の量、研修制度
医療系の執筆 在宅で働ける案件がある 契約形態、報酬の決め方

収入や夜勤の有無は、同じ職種でも職場で変わります。募集要項の条件を、複数の求人で並べて確かめましょう。

転職の考え方は看護師副業・転職マニュアルで整理しています。

看護師を一度離れるという選択

資格を活かす仕事でも気が進まない時は、一度看護の現場から離れる選択もあります。事務、ITなど、他の分野で働く人もいます。

職種を変えると、収入や働き方が変わる可能性があります。次の仕事を決める前に、必要な生活費と、雇用保険の給付や傷病手当金などの制度を確認しておくと安心です。

「今は離れる」と決めても、それで可能性が閉じるわけではありません。気持ちが整ってから、また考え直せます。

復帰が怖い時に読んでほしい言葉

「怖い」は心が出しているサイン

復帰が怖い時、それは心が出しているサインです。無理に「大丈夫、頑張れる」と言い聞かせるより、「怖いよね」と自分に声をかけてみてください。

怖さを認めることは、弱さではありません。自分の状態を知ることは、回復の出発点になります。

「正解」は自分の中にある

復帰するのが正解か、退職するのが正解か。その答えは、周りの誰にも決められません。

家族が復帰を勧めても、主治医が復帰可能と言っても、最終的に決めるのは自分自身です。他の人の意見は参考にしつつ、体の反応や気持ちを材料にして決めてください。

「今のつらさ」はずっと同じ形では続かない

今が苦しいと、先が見えなくなります。それでも、状態は治療や環境の調整で少しずつ変わっていくことがあります。

焦らず、今日できる小さなことから始めてください。眠る、食べる、少し外に出る。それだけで十分な日もあります。

相談できる場所を使う

一人で抱えきれない時は、主治医や産業医、家族、信頼できる友人に話してください。気持ちを言葉にするだけで、整理できることがあります。

休職を考える段階の方は、看護師が休職を考える女性へ|理由や手続き、過ごし方・お金の不安も参考になります。

復帰 vs 転職 vs 退職:判断フローチャート

休職の原因が職場環境なのか、仕事そのものなのかを分けて考えると、復帰・異動・転職・退職のどれが合うかが見えてきます。次の3つの質問で整理してみてください。

自分に合った選択肢を見つける3つの質問

質問1: 休職の原因は「職場環境」か、「看護師という仕事そのもの」か。

  • 職場環境が主な原因なら、異動や転職で環境を変える道を考える
  • 仕事そのものがつらいなら、看護以外の仕事も視野に入れる

質問2: 同じ病院に戻ることを想像した時に、体に反応が出るか。

  • 動悸、吐き気、涙などが出るなら、同じ職場への復帰は慎重に考える
  • 強い反応が出ないなら、異動や配置の調整をして復帰する道もある

質問3: 看護師の資格を活かしたいか。

  • 活かしたいなら、訪問看護、クリニック、健診センターなどを比べる
  • 活かさなくてもよいなら、他の分野も選択肢に入れる

体の反応が強い場合は、判断を急がず主治医に相談してください。

判断の比較表

選択肢 メリット デメリット 向いている人
同じ部署に復帰 慣れた環境で、手続きも簡単 原因が残っていると負担が再び大きくなる 原因が一時的だった人
異動して復帰 環境が変わり、資格も活かせる 同じ病院にいる不安は残る 特定の部署が原因の人
別の病院に転職 環境を一新できる 新しい職場に慣れる負担がある 病院の文化が合わない人
看護師以外に転職 看護の現場から離れられる 収入や働き方が変わる可能性がある 看護の仕事そのものがつらい人

どの選択肢でも、心身が健康でいられることが最優先です。迷ったら、主治医や産業医に今の状態と希望を伝えて相談してください。

退職を選ぶ場合の手続きは、看護師の退職届の書き方と出し方で説明しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 休職期間はどのくらいが普通ですか?

休職の期間は、病状や勤務先の就業規則で変わります。一律の目安はなく、他の人と比べる必要はありません。主治医と相談しながら決めましょう。

Q2. 休職中に転職活動をしてもいいですか?

勤務先の就業規則で禁止されていなければ、転職活動をすること自体は可能です。ただし、体調が整ってからのほうが負担は少なくなります。求人を眺める程度から始めるとよいでしょう。

傷病手当金を受けている間の活動が影響するかは、加入先の健康保険に確認してください。

Q3. 復帰後に再度休職したら評価に響きますか?

評価への影響は、勤務先の制度や運用で異なります。再び休職が必要になった時は、まず自分の健康を優先して、主治医と産業医に相談してください。

環境が原因の場合は、異動や転職も選択肢に入ります。

Q4. 傷病手当金はいくらもらえますか?

協会けんぽの傷病手当金の案内によると、1日あたりの額は、支給開始日の以前の標準報酬月額の平均を30で割り、3分の2を掛けて計算します。支給期間は支給を開始した日から通算して1年6か月です。

実際の金額は給与の額で人によって変わります。加入している健康保険に確認してください。

Q5. 復帰後すぐに退職することはできますか?

退職の手続きは、勤務先の就業規則と雇用契約に沿って進めます。「復帰したからには続けなければ」と思い込む必要はありません。

無理だと感じたら、主治医と相談しながら、退職や異動を検討してください。

Q6. 上司に復帰が怖いと正直に伝えていいですか?

伝えて構いません。産業医面談や復帰前の打ち合わせで不安を話すことが、適切な配慮を相談する第一歩になります。

話しにくい場合は、先にメモにまとめておくと伝えやすくなります。

Q7. 休職したことは看護師免許に影響しますか?

看護師免許の取消しや業務停止は、保健師助産師看護師法にもとづく行政処分で、罰金以上の刑や業務に関する不正行為などが対象です。休職したこと自体が理由として挙げられているわけではありません。

心身の状態について不安がある場合は、主治医に相談したうえで、都道府県の窓口などに確認してください。

Q8. 復帰せずに退職した場合、失業保険はもらえますか?

ハローワークの基本手当の案内によると、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。特定受給資格者や特定理由離職者は、離職の日以前1年間に6か月以上あれば受けられる場合があります。

病気やけがで、すぐには就職できない場合は、受給期間を延長できる仕組みもあります。自分が該当するかは、ハローワークで確認してください。

休職中の過ごし方ガイド

休職初期: まず休む

休職に入ったばかりの時期は、何もしなくて構いません。寝たいだけ寝て、食べたいものを食べて、ぼんやりして大丈夫です。

「何もしていない自分」を責めなくて大丈夫です。テレビもSNSも、見なくて構いません。

休職中期: 少しずつ外に出る

少し元気が出てきたら、外の空気を吸いに行ってみましょう。コンビニまで歩く、公園のベンチに座る、カフェで一息つく程度で十分です。

「外に出られた」という事実が、回復の実感になります。無理をせず、少しずつ活動の範囲を広げてください。

休職後期: 将来のことを考え始める

心身が回復してきたら、復帰・異動・転職・退職といった選択肢を少しずつ考え始めましょう。焦って決める必要はありませんが、選択肢を知っておくことは大切です。

求人を眺める、制度を調べるなど、負担の少ないことから始めてください。「復帰するしかない」という思い込みがほぐれます。

休職中に避けたいこと

  • 職場のSNSを見て、同僚と自分を比べる
  • 復帰時期を急いで決める
  • 他の休職者と回復の速さを比べる
  • 自己判断で通院・服薬を中断する
  • 休んでいる自分を責め続ける

休むことは、さぼりではなく療養です。気になる症状があれば、主治医に伝えてください。

休職中に取り入れやすいこと

休職中は、小さな習慣から始めると続けやすくなります。料理や散歩、図書館で過ごす時間などが例です。

料理は手順に集中できるため、余計な考えから離れやすくなります。散歩は生活リズムを整える助けになります。どれも、できる日にできる分だけで十分です。

在宅でできる仕事に関心がある方は、在宅ワーク未経験女性の仕事15選も参考にしてください。

休職中に副業を考える時の注意点

休職中の副業は、勤務先の就業規則で禁止されていることがあります。始める前に、就業規則を確認してください。

傷病手当金との関係は、加入先の健康保険に確認してください。迷った時は、主治医にも相談しましょう。

副業に夢中になって回復が遅れては、本末転倒です。心身の回復を最優先にしてください。

復帰後の職場で使える実践的なコミュニケーション術

挨拶は自分からする

復帰初日は、いちばん緊張する日です。「どう思われているだろう」と考えてしまいますが、短い挨拶ができれば十分です。

たとえば「休職中はご迷惑をおかけしました。また頑張りますので、よろしくお願いします」と伝えます。長い説明や、休職理由の詳しい話は必要ありません。

「無理」のサインを早めに出す

復帰後は、頑張りすぎないことが最優先です。業務量が多いと感じたら、「少しペースを落としたいです」と早めに伝えましょう。

我慢して限界まで続けると、再び体調を崩しやすくなります。復帰直後は、助けを求めることが大切なスキルです。

味方を一人つくる

職場に、「この人には話せる」という味方を一人つくっておきましょう。同期でも、年の近い先輩でも構いません。

つらい時に「ちょっと聞いてほしい」と言える相手がいると、心の安定が違います。復帰前に「復帰するのでよろしくお願いします」と連絡しておくのも一つの方法です。

「申し訳ない」と思いすぎない

復帰後は、休職中に迷惑をかけたという気持ちが続きやすくなります。けれども、必要以上に自分を責めなくて大丈夫です。

「ありがとうございます」は何度言っても構いません。「すみません」は最初の一度で十分です。謝り続けると、周囲も気を遣いすぎてしまいます。

まとめ

復帰が怖いのは自然な反応で、弱さではありません。怖さの理由を言葉にして、主治医や産業医と一緒に対処を考えることが出発点です。

復帰も退職も、自分で決めていい

この記事の要点を整理します。

  • 復帰は、主治医と一緒に可否を確かめて決める
  • 復帰する場合は、勤務時間や業務を段階的に増やす形を相談する
  • 再発防止には、限界サインの把握と定期通院、相談先の確保が役立つ
  • 自立支援医療や傷病手当金などの制度は、早めに確認する
  • 同じ部署への復帰も、異動も、転職も、退職も、立派な選択肢

復帰しないと決めたときに

最終的に復帰しない選択をした時も、自分を責めないでください。心身を守るための判断は、弱さではありません。

無理に戻って再び体調を崩すより、環境を変えて働くほうが合う人もいます。あなたの健康が、いちばん大事な基準です。

判断に迷う時は

判断に迷う時は、決める時期を急がず、主治医や産業医に今の状態と希望を伝えて相談してください。

焦らず、自分のペースで、次の一歩を選んでください。在宅でできる働き方に関心がある方は、在宅ワーク月10万円ロードマップも参考になります。

この記事を読んだ人におすすめ

次に読みたい関連記事

このサイト「フルミエール」は株式会社S.Lineが運営しています。記事の語り手「看護師シオン」は、実在の人物をモデルにした架空の人物です。記事内のLINE登録・講座の案内は、運営会社(株式会社S.Line)のサービスの広告です。
シオン

シオン|フルミエール ライター

在宅ワーク・SNS発信・暮らしの情報を扱うフルミエールの筆名ライター。編集は株式会社S.Lineが行っています。

プロフィール詳細

LEARNING GUIDE

インスタで人生を変えたいあなたへ

インスタ大学の教材について、LINEで受取案内を確認できます。

LINEでインスタ大学の受取案内を見る

※ 受取方法はLINEの案内をご確認ください。

本記事は公式情報・専門メディアを参考に執筆しています。最新の正確な情報は引用元の公式ページをご確認ください。
目次